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スペイン語アンダルシア方言を聞き取ろう 〜第2回:音の特徴を知ろう〜

学習方法 | 2014-09-28

スパニッシュ・オンラインの大塚です。

第1回に引き続き、アンダルシアに興味のある方用の記事です。

第2回目はアンダルシア方言の音についてです。
もちろん、「言葉は耳から学ぶ」というのも正しいのですが、事前に少しだけ知識を仕入れておくことで、苦労が軽減されます。

さて、昔はアンダルシア方言の音の解説など、学術論文でも探さないかぎり見つかりませんでした。
今ではWikipediaという素晴らしいツールがありますのでそれを活用しましょう。

Dialecto andaluz

ここではアンダルシア方言の音の特徴が大量に列挙されていますが、全部覚える必要はありません。たとえば「"r"と"l"の同化現象」などは、日本語話者にはさほど気にならないはずです。
よってひとまず以下の5点を押さえておきましょう。

1. Existencia de aspiración /h/ o pérdida de /s/ 
後に母音が続かないsが息を吐く音(フッ)に変わったり、発音されなかったりする。
例:Cristinaがクリ(フ)ティナやクリッティナに、podemos が podemo に。

2. Pérdida de la /ð/ intervocálica

母音と母音に挟まれたdがなくなる。
例:pescadoがpescaoに、GranadaはGranaaに聞こえますし、グラナダ出身者 granadino は granaiinoに聞こえます。
なお、アンダルシア名物の魚のフライ pescaito frito は、音が一般化して綴りにまで影響を与えてしまった例です。 

 

3. Pérdida de las consonantes finales /r/, /l/ y /d/

語尾にr, l, dが来た時に、それらの音が消えてしまいます。
例:poner が pone に。pared が pare に。

 

4. Pérdida de la /n/ implosiva ante /x/ (No ocurre en la zona oriental)

jの音の前のn(ん)の音が消える。(アンダルシア東部には見られない現象)
例:naranjaがnarajaのように聞こえる。

 

5. Pérdida ocasional de la "r" simple (No ocurre en la zona oriental)

母音に挟まれたrの音が消える「ことがある」。(アンダルシア東部には見られない現象)
例:parece が pa'ece のように発音されることがある。

私たち日本語話者にとってスペイン語がとっつきやすい理由のひとつに、母音が5つしかなく、かつ「ローマ字読みでOK」なことがあげられます。
ところがアンダルシア方言では上記のような特徴があるうえに、東部では母音が8つあることから、文字と音が一致せず、私たちにとって(他の地域のスペイン語話者にとってもw)分かりにくいんですね。

といったあたりを頭に入れたうえで、次回は実際の発音に触れてみましょう。

※アンダルシア東部はグラナダ県、マラガ県、ハエン県、アルメリア県をさします。

第1回:アンダルシア方言とは
第2回:音の特徴を知ろう

第3回:音を聴きこもう
最終回:アンダルシアの人々と話そう