ネイティブの話すスペイン語のスピードに慣れるためのコンテンツや、スペイン語学習に役立つ情報を随時アップしていきます。
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スペイン語を学んだ人なら、スペインのスペイン語と、ラテンアメリカのスペイン語に様々な違いがあることは知っているだろう。
しかし、ユダヤ・スペイン語"judeoespañol"なるものがあり、今も中東で話されていることはほとんど知られていない。
そのユダヤ・スペイン語では、"gente"を「ヘンテ」ではなく、「ジェンテ」と発音する。
なぜか。
実は16世紀前半まで、スペインでも"gente"を「ジェンテ」と発音していた。
16世紀後半になって「シェンテ」と発音するように変化。
さらに16世紀末から17世紀になってようやく「ヘンテ」となった。
さて、話はユダヤ人に戻る。
1492年、カトリック両王がレコンキスタを完成させ、その勢いでユダヤ人を追放した。その数8〜15万人と言われる。
彼らはオスマン帝国に移り住んだが、その末裔の多くは今も中東に住み、スペイン語を話す。
つまり、彼らはスペイン本国での発音変化を知らず(影響を受けず)に現代に至っているため、今でも「ジェンテ」と発音している。
へぇーーーーーーーーーー!
"usted"(あなた)は三人称単数として扱うというのはスペイン語文法の初歩の初歩だ。
しかし、その理由はほとんど知られていない。
実は16世紀のスペインでは、社会的地位の高い人に対しては、"vuestra merced"(あなた様の恩恵)を人称代名詞として使っていた。
この"vuestra merced"が時代とともに"vuested"と変化し、さらに"vusted"となって、しまいには"usted"になった。
「あなた様の恩恵」が主語だから二人称ではなく、三人称。
へぇーーーーーー!
スペインではじゃがいものことを"patata"と言い、ラテンアメリカでは"papa"ということは知っているだろう。
なんとなく"patata"が訛って"papa"になったと思っている人も多いのではないか。私はそう思っていた。
しかし、事実は逆だ。
もともとジャガイモはアンデス原産。ペルーのケチュア語で"papa"と言った。
一方で、カリブでかつて話されていたタイノ語では、さつまいもを"batata"と言った。
スペイン人征服者たちはジャガイモとさつまいもの区別がつかずにこの2つを混同し、"patata"と呼ぶようになった。。
へぇーーーーーーーー!
スペイン語で"adolescente"は青年。"adulto"は大人。
違う単語のように見えて実は。。
ラテン語で"adolescere"は「成長する」という動詞。
その現在分詞が"adolescente"(成長している)。
過去分詞が"adultus"(成長した)。
へーーーーー!
その他、
などなど、スペイン語学習にすぐ役立つわけではないが、ちょっと人に話したくなるようなトリビアが満載。
著者は京都外国語大学スペイン語学科の岡本信照教授。
スペイン語史はもちろん、ラテン語、フランス語、ポルトガル語、中世〜現代スペイン語文学やラテン・アメリカ文学にいたるまで幅広く、奥深い知識をわかりやすく、面白く伝授してくれる素晴らしい一冊。