ネイティブの話すスペイン語のスピードに慣れるためのコンテンツや、スペイン語学習に役立つ情報を随時アップしていきます。
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メキシコ駐在ラボ(https://juanitomx.com/)というブログで、スペイン語やメキシコでの暮らし、現地生活のノウハウなどの情報を発信されているファニートさんから寄稿いただきました。

Hola! メキシコ駐在ラボ(https://juanitomx.com/)運営者のフアニート(@Juanito_agsmx)です。
僕は大学時代にスペインに約半年間留学し、社会人になり、ご縁があってメキシコに渡りました。気づけばメキシコ在住11年。現在はアグアスカリエンテスという街で暮らしながら、日系企業の現地法人で働いています。
スペイン語を学んでいる方から、こんな質問をよくいただきます。
「スペインで習ったスペイン語って、メキシコでも通じるんですか?」
結論から言うと、まったく問題なく通じます。文法も発音もベースは同じなので、コミュニケーションに困ることはありません。
ただ、「違い」を事前に知っておくと、現地での会話がグッとスムーズになるのも事実です。僕自身、スペインからメキシコに来たとき「え、その単語なに?」と戸惑った経験が何度もあります。
この記事では、スペインとメキシコの両方で生活した僕の実体験をもとに、知っておくと役立つ「スペイン語の違い」を紹介します。
スペイン語は世界20カ国以上で公用語になっている言語です。当然、国や地域ごとに言い回しや発音にバリエーションがあります。
日本語に例えると、関西弁と東北弁くらいの距離感でしょうか。お互い「ちょっと違うな」と感じることはあっても、会話が成り立たないことはまずありません。
実際、僕がスペインで覚えたスペイン語でメキシコに来たとき、文法や基本的な表現で困ったことはほぼゼロでした。ただ、日常会話の中で「ん?今の単語、聞いたことないぞ」という場面が時々あったんです。
つまり、スペインとメキシコのスペイン語の違いは、「方言」というより「バリエーション」くらいのイメージが近いです。構造が違うわけではなく、使う単語や表現の好みが地域によって異なるだけ。この「違い」を知っておくだけで、現地での体験がぐっと豊かになります。

まずは、スペインとメキシコで異なる代表的な単語を一覧で見てみましょう。僕が実際に「これは知っておいてよかった!」と感じたものを20個厳選しました。

上の表を見ると、日常生活でよく使う単語にけっこう違いがあることがわかりますよね。特に「交通」「住居」「食べ物」に関する単語は、スペインとメキシコで別の言葉を使うことが多いです。
逆に、フォーマルな場面やビジネスで使うような単語は、ほぼ共通しています。つまり、日常会話に近づくほど地域色が出るというのがポイントです。

<スペインの場合>
友達に向かって:「¿Vosotros queréis ir al cine?(映画行かない?)」
<メキシコの場合>
友達に向かって:「¿Ustedes quieren ir al cine?(映画行かない?)」
メキシコではustedesが「フォーマル」と「カジュアル」の両方をカバーするので、学習者にとってはむしろ楽です。vosotrosの活用形を覚える必要がありません。
逆に、vosotrosに慣れている状態でメキシコに来ると、最初は少し丁寧すぎるように感じるかもしれません。でもメキシコ人はvosotrosの意味を理解しているので、使っても問題はありません。「ああ、スペインで勉強したんだね」と言われるくらいです。
実は、日本人学習者にとってメキシコのスペイン語は聞き取りやすいと言われています。その理由はいくつかあります。
話すスピードが比較的ゆっくり:スペイン(特にアンダルシア地方)に比べて、メキシコの一般的な話し方はテンポがゆったりしています。単語をひとつひとつ区切って発音する傾向があるので、リスニング練習に向いています。
「s」の発音がクリア:スペインの一部地域では語末の「s」が弱くなったり消えたりしますが、メキシコではしっかり発音されます。
ceceo/distinción がない:スペインでは「z」や「ce/ci」を英語のthのように発音しますが、メキシコでは「s」と同じ発音(seseo)です。日本人にとってはメキシコ式のほうが発音しやすいと感じる方が多いです。
僕自身もスペインで学んだ当初は、スペイン式のth発音を練習しました。メキシコに来てからはseseoに自然と切り替わりましたが、どちらでも問題なく通じます。
メキシコのスペイン語で特徴的なのが、縮小辞「-ito / -ita」の多用です。スペインでも使いますが、メキシコではその頻度が段違い。
たとえば「ahora(今)」→「ahorita(今すぐ / ちょっと後で)」、「momento(一瞬)」→「momentito(ほんの一瞬)」、「café」→「cafecito(コーヒー)」。
最初は「かわいい言い方だな」くらいに思っていたのですが、メキシコではこの-itoに微妙なニュアンスが含まれています。「ahorita」は文脈によって「今すぐ」にも「ちょっと後で(=いつになるかわからない)」にもなるんです。
これは教科書では学べない、メキシコならではの感覚。慣れるまでは少し戸惑いますが、使いこなせるようになると会話がぐっとナチュラルになります。

ここまで違いを紹介してきましたが、最も大切なことをお伝えします。
どちらで学んでも、世界中で通じます。
スペイン式で学んでメキシコで困ることはないし、メキシコ式で学んでスペインに行っても問題ありません。先に述べた通り、違いは「方言レベル」です。
とはいえ、もし選べるなら以下を参考にしてみてください。
スペイン旅行・留学を考えている方 → スペイン人講師から学ぶと、現地の表現にスムーズに馴染めます
メキシコや中南米に興味がある方 → メキシコ人講師から学ぶと、ラテンアメリカ圏で広く使える表現が身につきます
まだ決まっていない方 → まずは標準的なスペイン語をしっかり学び、地域差は後から自然に吸収できます
スパニッシュ・オンラインにはスペイン人の先生もメキシコ人の先生も在籍しているので、両方のレッスンを試してみて、自分に合うスタイルを見つけるのもおすすめです。
まとめ
スペインとメキシコのスペイン語には確かに違いがあります。でも、それは言語の豊かさであって、壁ではありません。
僕はスペインで学び、メキシコで使い、11年かけて両方のバリエーションを体験してきました。その経験から言えるのは、「違いを楽しめるようになったら、スペイン語がもっと好きになる」ということです。
この記事で紹介した語彙の違いや表現の差を頭の片隅に入れておくだけで、映画を観るとき、旅行先で話すとき、オンラインレッスンで先生と会話するとき、「あ、これスペインとメキシコで違うやつだ!」と気づけるようになります。
その小さな気づきが、スペイン語学習をもっと楽しくしてくれるはずです。
著者紹介
フアニート
メキシコ在住11年。アグアスカリエンテス在住。スペイン語検定2級・DELE B2取得。24歳でメキシコに渡り、日系企業で働きながらブログ「メキシコ駐在ラボ」を運営。メキシコの治安・生活・スペイン語学習について、11年の在住経験をもとに発信中。
▶ メキシコ駐在ラボ:https://juanitomx.com/
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