スペイン語力アップ!ブログ

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やさしい日本語を使ってスペイン語を簡単にする方法

学習方法 | 2025-02-26

◎目次

  1. 私たちは、「超難しい言語」を話している
  2. 普段の日本語をスペイン語に訳すのは、困難
  3. 「スペイン語脳」をつくるのは、もっと難しい
  4. 「やさしい日本語」を使ってスペイン語を簡単にする方法
  5. 「噛みくだき力」を磨けば、スラスラ話せるようになる
  6. まとめ|スペイン語に訳す前に、やさしい日本語をつくろう

¡Hola, todos! こんにちは、のぶしーと(@Nobu_Spanish)です。今回もスパニッシュ・オンラインの一生徒として、記事をお届けします。
今回は、【やさしい日本語を使ってスペイン語を簡単にする方法】についてご紹介します。

◎この記事はこんな方におすすめです。
大人になってからスペイン語を始めて、苦労している方
言いたいことを、スペイン語に上手く変換できない方
読み書きはできるのに、会話になると不安を感じる方

私たちは、「超難しい言語」を話している


日本語を母国語とする私たちは、「日本語が難しい」と意識することはあまりありません。
しかし、日本語を外国人に教えたことがある人なら、日本語がいかに「難解な言語」かを実感しているでしょう。
アメリカの外交官養成機関であるFSI(ForeignServiceInstitute)の研究によると、英語を母語とする人が日本語を習得するには約88週間(2,200時間)が必要だそうです。
習得難易度のランキングでは、日本語は「最難関」のカテゴリーに分類されています
一方、スペイン語の習得にはわずか24週間(600~750時間)しかかかりません。つまり、日本語はスペイン語の約3.7倍も難しい言葉なのです。


それでも、私たちは何の不自由もなく日本語を話し、書くことができますよね?
当然ながら、それは日本語が母語だからです。言い換えれば、幼いころから日本語に囲まれ、無意識のうちに身につけてきたからこそ、難しさを感じないのです。
だからこそ、「日本語は難しい」と言われても、いまいちピンとこない方が多いのです。

普段の日本語をスペイン語に訳すのは、困難


「日本語が難しいから何なの?」
「それがスペイン語の学習とどう関係があるの?」

そう思ったかもしれませんね。実は、「日本語の難解さ」は私たちのスペイン語学習に大きな影響を与えています。
特に影響が表れるのは、スペイン語をアウトプット(話す・書く)するときです。
わかりやすく例を挙げてみましょう。次の日本語をスペイン語に訳すとしたら、どう表現すればいいでしょうか?

【例題】ヤバい!遅くなっちゃったから、寄り道せずにまっすぐ家に帰ろう。

すぐに訳せた方は素晴らしいです。しかし、多くの人は「どうやって訳せばいいんだろう…」と悩んだのではないでしょうか。
例えば、「ヤバい!」にピッタリ対応するスペイン語表現はありません。そのため、日本語をそのままスペイン語に置き換えようとすると、行き詰まるのは当然です。
つまり、ごく自然な日常会話ですら、日本語からスペイン語に変換するのは非常に難しいのです。
なぜなら、日本語とスペイン語は言語的に大きくかけ離れているからです。


ちなみに、上記の例題に対する訳例は、以下の通りです。
【訳例】¡Cielos! Se me ha hecho tarde. Volveré a casa directamente.

「スペイン語脳」をつくるのは、もっと難しい


英語を英語のまま理解して話す「英語脳」があるように、「スペイン語脳」を身につければ、日本語を介さずにスペイン語を話せるようになります。
理論的にはその通りなのですが、実際に「スペイン語脳」をつくるのは、さらに難しいことです。
私自身、スペイン語を学び始める前、高校の英語の授業ですらちんぷんかんぷんでした。

「こんな難しい言語を、日本語を介さずに理解するなんて、本当にできるのか?」

そう思っていました。「Apple」という単語を、「りんご」と訳さずにそのまま理解しろと言われても、ピンとこなかったのです。
つまり、「英語脳」や「スペイン語脳」を養うことは、決して簡単なことではありません。

「ペラペラになりたいなら、英語脳やスペイン語脳を身につけろ!」

しばしば、SNS上ではそう言われますが、多くの人は「それができないから苦労しているんだ!」と思っているのではないでしょうか。

「やさしい日本語」を使ってスペイン語を簡単にする方法

  • 日本語からスペイン語に変換するのは、難しい
  • スペイン語脳をつくるのは、もっと難しい

このような状況の中で、どうすればスペイン語をもっとスムーズに話せるようになるのでしょうか?
私の結論は、「やさしい日本語を活用すること」です。
「やさしい日本語」とは、普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語のことです。

以下は、『2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けた他言語対応協議会ポータルサイト』からの引用です。

「やさしい日本語」とは、普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語のことです。1995年1月の阪神・淡路大震災では、日本人だけでなく日本にいた多くの外国人も被害を受けました。その中には、日本語も英語も十分に理解できず、必要な情報を受け取ることができない人もいました。そこで、そうした人たちが災害発生時に適切な行動をとれるように考え出されたのが「やさしい日本語」の始まりです。

要するに、「やさしい日本語」とは、災害時などの緊急時に日本語がわからない人とも効率的にコミュニケーションをとるために生まれた概念です。
ここで、勘の良い方ならお気づきかもしれません。私の提案は「スペイン語に訳す前に、日本語を『やさしい日本語』に変換しよう」ということです。


「やさしい日本語」を作る際のポイントとして、「ハサミの法則」というものがあります。

  • ハ(ハッキリ言う)
  • サ(最後まで言う)
  • ミ(短く言う)

では、この「ハサミの法則」を活用して、先ほどの例題を「やさしい日本語」に変換してみましょう。

【原文】ヤバい!遅くなっちゃったから、寄り道せずにまっすぐ家に帰ろう。

【改訂】大変だ!もう遅い時間だ。直接家に帰ろう。


どうでしょうか?原文をそのままスペイン語に訳すより、ずっと簡単に感じませんか?
ぜひ今後は、スペイン語で書いたり話したりする前に、一度「やさしい日本語で言い直すとどうなるかな?」と考えてみてください。
きっと、スペイン語への変換がスムーズになるはずです!

「噛みくだき力」を磨けば、スラスラ話せるようになる 


私たちが普段何気なく考えていることは、実は想像以上に高度な文章になっています。
これは、日本語が母国語だからこそ可能なことであり、そうして構築した「難解なメッセージ」をそのままスペイン語に訳すのは容易ではありません。
つまり、難しい日本語を「やさしい日本語」に変換する力、いわば「噛みくだき力」こそが、スペイン語初心者にとって必要なスキルだと考えます。


では、この「噛みくだき力」の重要性を、ボウリングを例にして説明してみましょう。

日本語を話すときは、自分に合った「ボール(=日本語)」を選び、狙った場所に正確に投げることができます。
たとえ難しい場所にピンが残っていても、問題なくストライク(全てのピンを一度に倒すこと)を取ることができます。
つまり、どんなに複雑な内容でもスムーズに話せるということです。



一方、スペイン語を話すときは、いつも使っているボールより10キログラムほど重いボール(=スペイン語)を持たされるような感覚です。
その状態で、いつも通りに投げようとしても、ボールがうまく飛ばず、思った場所に転がってくれません。
当然、ピンを倒すことも難しくなります(=アウトプットするのが難しい)
つまり、日本語と同じ感覚でスペイン語をアウトプットしようとすると、無理が生じるのです。


では、どうすればいいか?
たとえば、ボールが重くて投げられないなら、両手で転がしてみるのも一つの方法です。
また、ボウリングのレーンの両脇にある「落とし穴(ガーター)」を塞いでしまえば、どんな投げ方でもある程度はピンに当たるようになります。
つまり、ボールが重い(=スペイン語が難しい)なら、やり方や伝えるメッセージ自体を変えればいいということです。
つまり、日本語と同じ流れや内容で話そうとせず、「やさしい日本語」に変換しながらアウトプットすることで、よりスムーズに伝えられるようになるということです。

まとめ|スペイン語に訳す前に、やさしい日本語をつくろう

日本語は世界でも最難関の言語の一つであり、それをスペイン語に訳すのは決して簡単ではありません。
また、スペイン語脳を鍛えようとしても、すぐに身につくものではありません。
では、どうすればスペイン語をスムーズに話せるようになるのでしょうか?
その答えが「やさしい日本語」です。
私たちが普段話している日本語は意外と複雑で、それをそのままスペイン語に訳そうとすると、表現に詰まってしまうことがよくあります。
しかし、難しい日本語を「やさしい日本語」に変換することで、スペイン語のアウトプットが格段に楽になります。


ポイントは 「ハサミの法則」(ハッキリ言う・最後まで言う・短く言う)を意識すること。
まずは日本語をシンプルにし、その上でスペイン語に訳す習慣をつけましょう。
この方法を続ければ、スペイン語のアウトプットがスムーズになり、自然な会話ができるようになるはずです!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。今回の記事を参考に、スペイン語学習を楽しんでください。
それでは、¡Hasta pronto!