DELE B2合格にむけての学習方法

年々、受験者が増え続ける世界共通のスペイン語検定試験DELE。

みごと、DELE B2(中上級※)に合格された藤岡正純さん(アメリカ・ワシントン州在住。41歳)に、B2合格までの道のり、DELE対策学習のポイントについてお話をうかがいました。

Q. スペイン語を勉強し始めたのはいつごろですか。

A. 以前からヨーロッパの国々が好きで毎年一度は旅行に行っていたのですが、その国の言葉を知っておいたほうが旅行がもっと楽しくなるかなと、旅行前に旅行先の国の言葉を入門書でちょこっとかじったりしていました。

A. スペイン語に最初に触れたのもそうした流れからで、はじめて入門書を開いたのは今から10年くらい前だったと思います。ただ、いつも入門書を読み終えることなくいつの間にか勉強しなくなってしまい、思い出したころにまた入門書を最初から開いては閉じ、忘れた頃にまた開いてという感じでした。
本格的にスペイン語を勉強し始めたのは2011年に入ってからだったとおもいます。いつものように入門書を読み直していたら最後まで到達し、次にiPhoneの初級レベルの学習アプリケーションを使ってみたらこれも最後まで到達し、せっかくならもう少ししっかり勉強しようとかなと思い、スペイン語の勉強により多くの時間を割くようになりました。
スパニッシュ・オンラインをはじめたのが2011年9月です。

Q. DELEを受験しようと思ったきっかけを教えて下さい。

A. 勉強をするにあたって自分の到達度を知るための何か明確な目標なり指標なりがあったほうがよいなと思ったのが受験のきっかけです。DELEはスペイン語の試験としていろいろな国で実施されているので、自分がどのくらいのレベルにあるのかを客観的に知るのに一番いいかなと思って受験することにしました。

Q. 2011年11月実施のDELEで、まずB1に合格されましたが、そのときはどのような準備、対策をされましたか。

A. 最初に受験を決めたのは確か2011年の夏ごろだったと記憶していますが、当初は本を使った独学のみでした。

主に使用した本は日本語のスペイン語入門書のほかにはEDELSAの「Uso de la gramática española elemental」という文法の練習問題集と「Preparación al Diploma de Español B1」というDELE対策問題集です。
初級文法は一通り読んである程度理解しているつもりではいたものの、しっかり身についている自信がなかったので、まずは前者を使って文法の理解を深めたうえで、その後にDELEの問題形式を理解するために後者を使いました。

DELEという試験はスペイン語の能力を総合的に測る試験で、読解、作文、文法・語彙、聞き取り、口答で構成されています。
読解や文法は本を使った独学で対応できるようになりますし、また聞き取りも入門書などに付いているCDやインターネット上の学習教材などである程度は練習することができます。
一方、口答と作文は独学で習得するのは難しいものがありました。スパニッシュ・オンラインをはじめたのが2011年9月で、授業で先生と話すことで、それまで決定的に不足していた話す練習ができるようになりました。

 

Q. 今回の2013年5月のDELEでB2に合格されましたが、何回目の受験でしたか。

A. 3回目のB2受験でした。最初にB2を受験したのは2012年5月でしたがほとんど準備できないまま受験して撃沈。2012年11月に2度目のB2を受験した時は文法・語彙のセクションで得点が足りずに不合格でした。


Q. 前回のB2受験(不合格)時に比べて、どこが伸びたとおもいますか。

A. 2回目の受験では文法・語彙の点数が足りずに不合格だったので、3回目の試験ではそこを重点的に勉強しました。

A. 最初のB2受験のときに購入したEDELSAの「Uso de la gramática española intermedio」「Preparación al Diploma de Español B2」の文法問題を繰り返し勉強して文法での取りこぼしを少なくするとともに、語彙を強化するために、新たにEDELSAの「Hablar por los codos」という本を入手して慣用表現を覚えました。
その結果、3回目の受験では文法・語彙も合格ラインに達することができました。

 

Q. B2受験対策としては、どのような勉強をされましたか。

A. どの部分が自分の弱点かを理解した上で、優先順位をつけて勉強をしました。

一番苦手意識があったのが語彙・文法、とりわけ語彙でした。
先ほどもお話しましたが、これに関してはEDELSAの文法問題集や対策問題集を繰り返し解いたり、慣用表現を覚えたりして対応しました。
また、慣用句に苦手意識があることをスパニッシュ・オンラインの先生に伝え、授業で語彙に関する問題を出してもらったりもしました。

次に苦手意識があったのが聞き取りでした。スパニッシュ・オンラインの授業でも先生と話すことによって聞き取りの強化はできますが、授業では聞き取れなかったときには先生が話すスピードを緩めたり繰り返し説明したりしてくれます。
一方、試験では聞き逃したら取り返しが付きません。ですので、通常のスピードで話されるスペイン語も理解できるよう耳を鍛えるため、EDELSAの対策問題集に付いていたCDを繰り返し聞いた他に、東京大学出版会の本「Viajeros」のCDを繰り返し聞きいたり、またRTVEのCanal 24hを聞いたりして、とにかく普通のスピードのスペイン語に耳を慣らすようにしました。

口答試験に関しては、スパニッシュ・オンラインでいつも先生と会話していましたし、試験前にはEDELSAの問題集を使って実際の口答試験の反復練習を行ってもらい、試験でどのような言い回しをつかって回答すればよいのか指導してもらいました。

作文は独学では勉強しにくいので、試験前に練習問題を行い、作文をスパニッシュ・オンラインの先生に添削してもらいました。

読解は私の場合さほど弱点ではなかったので、EDELSAの対策問題集を解く以外に特別なことはやりませんでした。

 

Q. 単語力はひとつのキーだと思いますが、どのようにして必要な単語を覚えましたか。

A. とにかくわからない単語が出てきたら可能な限り意味と一緒にノートに書き出しておくということをやっていました。

できれば翌日や次の週に見直すと効果的だと思うのですが、書いたまましばらく放ったらかしの場合もしょっちゅうです。
それでもとにかく書いておくと、たとえば試験の前にはそれを見直せば自分が確認すべき単語集として役立ちます。
あと、大塚さんもブログで書いていましたが、書くということ自体が記憶の助けになるんじゃないかとおもいます。
初めてみた単語を一発で覚えるというのは難しくどうしても忘れちゃうので、忘れるものだと割り切った上で忘れたときに何らかの形で思い出す手がかりを残しておくしかないかなと思います。

また、3回目のDELE B2で受験では自分なりにどこで間違えたかを分析し、熟語や慣用表現の部分に強化が必要と考え、「Hablar por los codos」を使って慣用表現を集中して覚えるようにしました。

 

Q. B2対策の勉強をするなかで、スパニッシュ・オンラインのレッスンはどのように活用されましたか。講師になにかリクエストはしていますか。

A. まずはDELEのどのセクションに自信がありどのセクションに自信がないかを先生と話しました。先生と話をする中でより具体的にどのあたりを優先的に勉強すべきかが私と先生の間で見えてくるので、「じゃあ次の試験に向けてこのあたりをやろう」というふうに方向付けできますし、先生も私が課題だと思っているところに留意して授業を考えてくれます。

私は主に、独学では勉強しにくい口答と作文の対策でスパニッシュ・オンラインを活用しました。
具体的には、口答の練習では対策問題集の問題を実際に授業でやってみて、誤りを指摘してもらったり、どういう時制をつかってどういう言い回しで話したらよいかをおしえてもらいました。また作文は、対策問題集の問題を解き、先生にメールで送って添削してもらいました。

そのほかに、独学で対策本で勉強している中で文法で理解できない問題にあたったときにその問題にしるしをつけておいて、後日授業で質問をしてどうしてそれが正解なのかを説明してもらいました。

先生と一緒に授業で対策を行ったほうが効果的なものと、独学でやったほうが効率的なものがあります。DELE B2の対策すべてを先生から教えてもらおうとするのではなく、スパニッシュ・オンラインの授業を上手く活用して、先生と一緒にやったものは授業の中で、独学でやったほうが効率的なものは授業以外の時間に自習するようにしました。

 

Q. ご自身での勉強、スパニッシュ・オンラインのレッスンそれぞれにおいて、今回のB2対策として特に効果的だったことを教えてください。

A. 自身での勉強としては、これといって効果的だった対策というのはありません。
スパニッシュ・オンラインのレッスンでは、やはり実際に先生と口答対策を繰り返し、試験のときにどのような時制でどのように話を構成して発表するかを練習しましたが、これは効果が高かったと思います。
おかげで、実際のテストのときにもそれほど緊張することなく、そつなく対応することができたと思います。

あとは、自分で勉強するときもスパニッシュ・オンラインのレッスンで勉強するときも、受験で不合格だったときにどこがだめだったのかしっかり理解して弱い部分を重点的に対策するということを行うと、その次の試験ではその効果が結果として現れていたように思います。

 

Q. 米国にお住まいですが、生活やお仕事でヒスパニック系の方と日常的にスペイン語でコミュニケーションする機会もあるのでしょうか。

A. ヒスパニックとりわけメキシカンは結構見かけますし、まちを歩いているとスペイン語が聞こえてくることも少なからずあります。広告や商品のパッケージなどは英語だけでなくスペイン語の表記があることもしばしばです。

でも、私が生活や仕事するなかで実際にスペイン語を話す機会というのは今のところめったにありません。

Q. その他、これからDELE(特にB1、B2)を受験される方になにかアドバイスがあればお願いします。

A. DELEはつまるところスペイン語の実力を測るための試験なので、DELE対策に関係ないところでも普段からインターネットでニュースを見たりTwitterで自分の興味がある分野に関するスペイン語関連の情報をフォローしたりしてスペイン語に触れる機会を増やし、スペイン語で話されることに興味を持って接することが大切だと思います。
興味があることであれば継続的にスペイン語に接することができて、その結果おのずとスペイン語も強化されるとおもいます。楽しく勉強するのが一番だと思います。

※DELE B2では、このような問題が出題されます。
◆文章読解
 新聞記事
 (例: http://www.lanacion.com.ar/1501794-basura-electronica-contaminante-y-valiosa )
 の一節(6パラグラフ程度)を読み、内容に関する質問に回答する
◆リスニング
 ラジオのインタビューを聞き、内容に関する質問に回答する
◆文書作成
 公共料金値上げに関して、反対意見を表明する手紙を書く
◆口頭試験
 新しいアイデアに関する短い記事を読み、そのアイデアのメリットおよびデメリットを2〜3分で述べたあとで、面接官とディスカッションする

--------------------------------------------

取材メモ:
藤岡さんからDELE合格の知らせを受け取ったときは、担当講師たちも含めてみんなで大喜びしました。
きっと多くのDELE受験者の方の参考になるに違いないと思い、インタビューをお願いしたのですが、想像していた以上に内容の濃い、間違いなく日本では最も詳しいDELE対策記事になりました。

ぜひみなさんもこれを参考に
 1. まずは実際にDELEを受験してみるか、本番同様に練習問題を解いてみる
 2. 合格レベルと比べて、「読む、書く、聴く、話す、単語」のどれが弱いかを具体的に把握する
 3. 弱いところを、それぞれにあった効果的な方法で学習する
のステップで目標とするレベルの合格に向けて頑張ってください。

特に「書く」、「話す」に関してはスパニッシュ・オンラインがお役にたてます(マンツーマンならではです。グループ・レッスンでは非効率です)。
もちろん、DELE対策レッスンでも1レッスン450円〜のお手頃価格です。
まずは2回の無料体験レッスンからお試しください。

最後になりましたが、藤岡さん、本当におめでとうございます!
そして大変貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

DELEの傾向と対策の詳しい解説はこちらから。